改正電気通信事業法6月16日施行!WEB運営者は対象?内容と対策

改正電気通信事業法6月16日施行!WEB運営者は対象?内容と対策

改正電気通信事業法が6月16日に施行されたのをご存知でしょうか?
SNSやメッセージングアプリ、Webサイトの運営者など今まで届出の必要がなかった事業者も、今回の電気通信事業法の改正により、規制の対象となります。
この記事では、自分は対象になるのか?どのような対応をする必要があるのか?など、改正電気通信事業法について解説します。
今回の改正で対象となるのは、SNSや検索サービスなどの運営者の他、ホームページやメッセージングアプリの運営者など、非常に多岐にわたります。
ややこしい今回の改正を分かりやすくご紹介しますので、企業のWEB担当者やホームページ運営者の方はぜひ最後までご覧ください。

改正電気通信事業法とは?内容を分かりやすく解説

そもそも、電気通信事業法とはどのような法律なのでしょうか?

この法律は、電気通信事業の公共性にかんがみ、その運営を適正かつ合理的なものとすることにより、電気通信役務の円滑な提供を確保するとともにその利用者の利益を保護し、もつて電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的とする。
(参考:総務省HP

つまり、インターネットサービスを使うにあたって健全な発展と使用者の利益を保護しようという、事業者と使用者の間の取り決めの法律だといえます。今回、この電気通信事業法が2023年6月16日に改正されました。

改正電気通信事業法導入の背景

近年のスマートフォンの普及により、動画共有、ニュース、SNSや検索などを通じて様々な情報流通が行われています。
この流通により、サービスを提供する事業者が利用者に関する情報を利用、蓄積できる傾向が強まっています。これにより利用者の利便性が高まる一方で、利用者に影響を及ぼす場合も生じてくるでしょう。

この背景から、利用者の情報を外部に送信している場合は利用者に向けてその旨を通知する規制を設けたのが、今回の改正電気通信事業法となります。

改正電気通信事業法の対象者は誰?

 

今回の改正を受けて、規制対象となるのは大きく分けてこの4つです。
・メッセージ媒介サービス
・SNS
・検索サービス
・ホームページ運営
ここからは、それぞれどのようなサービスを提供している人が対象なのか詳しくご紹介します。

メッセージ媒介サービス

メッセージ媒介サービスとは、特定の利用者間でテキスト、音声、画像、動画によってメッセージを媒介するメッセージングアプリや、サービスの一部として特定の利用者間でのダイレクトメッセージ機能を提供しているものを指します。
具体的な例としては、フリマアプリやマッチングサイトなどがこれに該当します。マッチングしたらメッセージのやり取りが当事者同士で可能になるためです。

SNS

SNSや、電子掲示板、動画共有プラットフォームといった、テキストや動画などの発信者と閲覧者がやり取りできる「場」を提供する場合も対象となります。
例えば、TwitterやYoutubeなどのようにテキスト、画像、動画を発信して、コメントできる「場」があれば対象となります。
また、オークションやフリーマーケットなどができるサービスも同じく「場」を提供しているためこのパターンに該当します。

検索サービス

膨大な量のWEBサイトデータベースを利用し、WebサイトのURL等を利用者に提供する場合はこれにあたります。
これは、GoogleやYahooなどの検索サイトのことを指します。

ホームページ運営

インターネットを経由して天気予報やニュース、映像、求人情報などの情報を利用者へ提供する場合がこのカテゴリとなります。また、ニュースや情報に対して不特定多数の人が閲覧できるコメントの投稿・閲覧機能を提供する場合もこれにあたります。
ホームページ運営において、GoogleAnalyticsやAdSenseを使用してる場合もGoogleに情報を送信しているため対象となります。

対象外となるサービス

これまで解説したもの以外で対象にならないサービスも存在します。
具体的には、自社商品などをオンライン販売しているホームページの運営や、企業等のホームページ運営が該当します。
これは、本来オンラインでなくても行われる取引(本来業務)が、通信上で行われてるだけであると認識され、電気通信事業者に該当しないため対象外となります。
企業が自社の魅力を伝えるホームページや、自社商品等のオンライン販売などがこれにあたりますが、外部に情報を送信している場合などは対象となるため、ホームページ上に記載するといった対応は必要となるでしょう。

6月16日施行・改正電気通信事業法|対応を解説

 

今回の改正で対象となった事業者はどのような対応が求められるのでしょうか?
総務省のホームページには以下のように記載されています。

【1】外部送信規律でやらなければならないこと
次の事項を通知または利用者の容易に知り得る状態においてください
・送信されることになる利用者に関する情報の内容
・送信された情報を取り扱うものの氏名または名称
・送信された情報の利用目的

(参考:総務省HP

つまり、「情報を外部に送信している」ことだけでなく、情報の利用者とその目的もわかりやすく明記することが必要となります。
通知または公表の方法については下記のようなルールが設けられています。

通知の場合
・日本語で記載
・専門用語は使わない
・平易な表現を使う
・拡大や縮小の操作を行うことなく文字が適切な大きさで表示されるようにする。
・【1】の事項をポップアップなどにより表示、記載する

容易に知りうる状態に置く場合
・日本語で記載
・専門用語は使わない
・平易な表現を使う
・拡大・縮小の操作を行うことなく文字が適切な大きさで表示されるようにする。
《ウェブサイトの場合》
・外部送信を行うページから容易に到達できるページ等に先ほどの【1】を記載する
《アプリの場合》
・最初に表示される画面、そこから容易に到達できる画面等において【1】を記載する
(参考:総務省HP

容易に知りうる状態におき、なおかつ分かりやすく平易な表現で記載することが求められています。企業の場合、イメージにもつながる可能性があるため社内で表現の協議が必要でしょう。

具体的な対応方法

概要は解説した通りですが、実際にはどのような作業が必要になるのでしょうか?
具体的には

・プライバシーポリシーに【1】を記載する
 →どのページからでも容易にたどり着けるように配置
・ウェブサイトを最初に開いた際にポップアップなどで通知

このような対応が必要となります。
例えば、Webサイトの分析に使用されている「GoogleAnalytics」もGoogleに対して情報の外部送信が行われているため、本改正の対象となります。

表示する内容の例文

ここではGoogleAnalyticsを例に、例文を作成してみました。あくまで例として参考程度にご参照ください。

・Googleanalyticsの導入目的 → Webサイトの分析
・送信される情報はどんな情報か → キーワードやアクセスした国・地域など
・情報送信先はどこか? → Google社
・送信先では情報をどのように利用するか → 分析情報の解析やレポート作成

これらを規制対象となるサービスや企業のホームページに記載する必要があります。場合によっては、ホームページに訪問したタイミングでポップアップ表示される仕組みを構築する必要もあります。企業のWeb担当者やITエンジニアなどと相談をして進めるのが良いでしょう。

まとめ

改正電気通信事業法の改正内容と対応について解説しました。

今回対象となる事業者はメッセージ媒介サービス、SNS、検索サービス、ホームページ運営となり、具体的な対応方法としては「プライバシーポリシーに記載する」「ウェブサイトを最初に開いた際にポップアップなどで通知」などとなります。

今一度自身の事業が対象なのかを確認した上で、対応していきましょう。

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