書類の準備や郵送などの手続きが複雑で、時間がかかる「補助金・助成金」の申請を円滑にするために、2020年4月にjGrants(Jグランツ)というシステムが開始されました。
テレワークが増加する中で、jGrants(Jグランツ)はオンラインで申請が完結でき場所や時間に左右されないため、利用する人が増えています。
そこでこの記事では、jGrants(Jグランツ)の概要とメリット、使い方や活用方法についても詳しく解説します。実際に申請する際にお役立てください。
jGrants(Jグランツ)の概要と特徴
jGrants(Jグランツ)とは、2020年4月に経済産業省がリリースした補助金・助成金の申請をオンラインで行える電子申請システムのことです。
jGrantsを使用すれば、補助金や助成金の申請をより手軽に、スムーズに行うことが可能です。
この章では、jGrantsの基本的な仕組みとその特徴について解説します。
システムの概要
jGrantsは、書類の記入や郵送などの手間がかかる補助金の申請作業を効率化する目的で生まれました。この電子申請システムを利用すれば、補助金申請の全てのプロセスをインターネット上で、時間や場所に捉われずに進めることができます。
補助金とは?
補助金は、政府や地方自治体が経済活動や社会貢献活動を行っている企業や団体、個人に対し、その活動を支援する目的で提供しているものです。
これらは、通常、事業の計画を立て、それを達成するために必要な費用の一部を補填する形で提供されます。
補助金は、研究開発・事業拡大・新規事業立ち上げ・環境保護・地域振興・雇用創出など、さまざまな目的のために用いられます。
また、補助金を活用することで企業や団体は資金調達の負担を軽減させ、よりリスクを取って挑戦できる環境をつくることができます。
従来、補助金の申請は手続きが複雑で時間がかかることから敬遠されがちでしたが、jGrantsの登場により大幅に簡素化され、手軽に申請することが可能となりました。
jGrantsの主な特徴とメリット
jGrantsの最大の特徴は、その利便性です。
jGrantsの利用により、時間や場所に制約されることなく、誰でも補助金・助成金の申請を行うことが可能になりました。さらに、その申請プロセスもデジタル化されているため、紙ベースの手続きに比べてスムーズかつ効率的に申請を進めることができます。
また、申請の進行状況がリアルタイムで把握できるため、補助金・助成金の検索や申請状況の確認も容易に行うことができます。
jGrantsから補助金を申請するために、必要なものは?
応募したい補助金・助成金を見つけたら、jGrantsを通じて電子申請を行います。
この申請を行うためには、「GビズID」というアカウントの取得が必須となります。
「GビズID」とは?
「GビズID」は、法人または個人事業主がさまざまな行政サービスを電子で申請する際に使用するログインアカウントです。
jGrantsで使用できるGビズIDの種類
・gBizIDプライム(法人やその他の組織の代表者用アカウント)
・gBizIDメンバー(プライムによって許可されたアカウントで組織の従業員向けアカウント)
まだ「GビズID」を取得していない場合、まずはgBizIDプライムを申請しましょう。その後、組織の従業員用アカウントとしてgBizIDメンバーを追加することが可能です。
jGrantsの利用方法
次に、jGrantsを具体的にどのように利用するかについて解説します。jGrantsは非常に使いやすいシステムになっていますが、その機能を最大限に活用するためには、その利用方法を理解することが重要です。以下、基本的な利用手順について解説します。
アカウントの作成
個人事業主・法人・地方自治体など、誰でも無料で利用できるjGrantsですが、jGrantsを利用する際には「GビズID」のアカウントを取得したうえでの申請が必要です。
GビズIDの取得には2〜3週間ほど時間がかかりますので、余裕を持った申請をおすすめします。
補助金・助成金の検索
アカウントの設定が完了した後、申請したい補助金や助成金を検索します。jGrantsには、多くの補助金・助成金情報が登録されています。
補助金の名前だけでなく特定のキーワードやビジネスの種類、対象となる地域、または従業員の数で上限を絞って検索することも可能です。
GビズID取得・ログイン
申請したい補助金を見つけたら、GビズIDアカウントを使ってログインします。
この時点でまだGビズIDを取得していない場合は、GビズIDを取得してから次のステップに進みましょう。
補助金・助成金の申請
検索で適切な補助金・助成金を見つけたら、必要な資料データのアップロードを行い、オンラインで申請します。必要な情報や書類を準備し、指示に従って入力することで申請が可能です。
このほかjGrantsを利用すると、申請後の審査結果の確認から補助金の受け取りに至るまでの全てのプロセスを、オンライン上で確認し、完結することができます。
jGrantsの活用のコツ
jGrantsをより効果的に活用するための方法をいくつか紹介します。これらの方法を利用することで、jGrantsを使った補助金・助成金の申請がよりスムーズに行えるでしょう。
最新の情報を常にチェックする
新たな補助金・助成金の情報は常に更新されています。そのため、jGrantsを利用する際には、常に最新の情報をチェックすることが大切です。これにより、新たなチャンスを逃すことなく、補助金・助成金を申請することができます。
詳細な申請資料の準備
オンライン申請をスムーズに進めるためには、細かい申請資料の準備が重要です。必要な資料を事前に準備しておくことで、申請プロセスがよりスムーズに進行し、手続きを迅速に行うことができます。
jGrantsで申請可能な補助金は?
jGrantsは幅広い補助金・助成金申請に対応しています。ここでは主に注目すべき補助金・助成金をいくつか紹介します。
●中小企業向けIT導入補助金
中小企業や小規模事業者がITツールを導入する際に、その費用を補助する制度です。オンラインショップの開設や在庫管理システムの導入、テレワーク支援ツールなど、多岐にわたるITツールの導入に対して補助が提供されます。
●新型コロナウイルス対策雇用調整助成金
新型コロナウイルスの影響で経営に困難を強いられ、雇用調整を行う事業者に対して支給される助成金です。従業員を休業させた際の賃金の一部を助成します。
●事業再構築補助金
新型コロナウイルスの影響を受けた企業が、事業の再構築をする際の補助金です。事業の見直しや新たな事業モデルへのシフトなど、新たな経営戦略の策定と実行を支援します。
●働き方改革関連助成金
テレワークの導入やフレックスタイム制度の整備、育児や介護との両立支援など、働き方改革を推進するための各種取り組みを支援する助成金です。
このように、jGrantsでは多種多様な補助金・助成金が申請可能です。それぞれの補助金・助成金には適用要件がありますので、詳細はjGrantsの公式サイトで確認してください。
申請可能な補助金・助成金の一覧の確認方法は?
jGrantsで手続きが可能な補助金の一覧を探すためには、公式ウェブサイトのトップページの「補助金を探す」から閲覧できます。ここには、現在申請を受け付けている補助金の一覧が全て確認できます。また、過去の募集を含む全ての補助金を確認したい場合は、「募集中の補助金のみ」の選択を解除し、再検索してみてください。
補助金を検索する際は、自由にキーワード検索が可能です。例えば、「開発」や「サステイナビリティ」など、補助金の目的や主題に関連する言葉を入力することで、該当する補助金を見つけることができます。複数のキーワードを用いて検索する場合は、各キーワード間にスペースを挟んで入力します。
まとめ
今回は、jGrants(Jグランツ)の概要とメリット、使い方や活用方法について解説しました。
jGrantsは、補助金申請のプロセスを簡略化する目的で、経済産業省によって2020年4月に導入された電子申請システムです。
このシステムを利用することで、インターネットを介して手軽に補助金の申請を行うことができます。企業が自社のITインフラを強化するためのIT導入補助金など、jGrantsのウェブサイトでは、補助金の検索機能を使って適切な補助金を素早く見つけ出し、申請作業をスムーズに進めることが可能です。
また、24時間・365日、自宅や職場などいつでもどこでも申請が可能であり、書類の押印が不要であるなど、これまでにない便利さと効率性を実現することが可能です。
jGrantsの利用方法を理解し、適切に活用することで、新たな資金調達の可能性を広げていきましょう。